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虫歯治療より歯周病治療を優先させる理由

時々患者さんから「歯医者にかかると回数がかかる」とご指摘を受けることがあります。よくあるケースとして、虫歯治療を受けに来ただけなのに歯周病治療も進められることがあります。今回は虫歯治療と歯周病治療の関係についてのお話です。

 

歯周病治療は地盤改良、虫歯治療はリフォーム

よく歯の治療を家の建築に例えることがあります。歯ぐきから下は「土台」、歯ぐきから上は「家」。歯は歯ぐきという軟弱地盤を貫通して骨の中に固定されているようなものです。歯周病治療は、主に歯の基礎になる部分を安定させたり改良したりして、土台がぐらついたりしないようにします。

 虫歯の治療は家の修繕になります。窓が割れたり、壁に穴が開いたり、屋根が壊れたり、破損の程度によって補修や交換などのイメージです。歯の色などは外壁の模様替えのようなものです。

 虫歯の治療が優先的に行なえるのは、あくまで土台や基礎がしっかりしている家が原則。小さなリフォームや修繕であれば、1日で完了します。しかし歯がボロボロで歯周病も進行しているような場合では、基礎からやりなおすことになり建て替えとなります。こうなるとある程度の治療回数と治療期間が必要になってきます。

どんなに豪華できれいな家であっても、基礎がしっかりしていない家は長くは持ちませんし、下手をすると基礎ごと外れて家が無くなってしまいます。

 

歯周病なのに虫歯の治療だけするとどうなる?

■歯と詰め物が密着が甘くなる

歯ぐきの炎症が続いている状態では、樹脂や金属を詰めるとき浸出液や出血などが歯と詰め物の間に入り込みやすく、セメントや樹脂に混じってしまうことがあります。このため強度不足や密着不足が起こって歯と詰め物にわずかな隙間ができてしまうことがあります。その隙間から虫歯が起これば再治療が必要になります。

 

■歯ぐきが下がる

歯周病の治療前に歯にかぶせものをすると、かぶせたあとで歯周病が進行したり、あとから歯周病治療を行なうと歯ぐきが下がり、かぶせものと根の境目が目立ってきます。

普段から歯石取りなどの定期的なメンテナンスを行なっている場合は虫歯治療だけでも問題はあまりありませんが、歯石を取っていない場合には、急な痛みや神経を取らなければならなくなる様な大きい虫歯を除いて、歯周病の治療が先行して行なわれることは、良い状態を長く保つために必要なことなのです。

 

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