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インプラントの寿命はどれくらい?―長期の予知性について正しく知る

こんにちは。箕面市小野原の江口歯科医院 院長です。
「インプラントは一生もつの?」「どれくらい長く使えるの?」
30〜60代の女性の患者さまから、こうしたご質問を多くいただきます。
本記事では、Staraumann社の公式情報(インプラントの長期安定性・予知性に関する考え方)を参考にしながら、インプラントの寿命=長期の予知性について、できるだけわかりやすく解説します。
※本記事は一般的な医学的情報の提供を目的としており、治療効果を保証する表現ではありません(医療広告規制に配慮しています)。
「インプラントの寿命」は何で決まるのか?
インプラントの寿命は、「何年もつか」という単純な年数では語れません。歯科医療では長期の予知性という考え方が重要です。
長期の予知性とは
- 適切な診断
- 正確な手術
- 長期にわたり安定して機能するか
- 患者さん自身が管理できるか
これらを総合的に考え、「長く安定して使える可能性がどれくらい高いか」を示す概念です。
科学的には「10年以上安定して使える」報告が多数
ストローマン社の情報では、適切な条件下で治療されたインプラントは、10年・20年単位で高い生存率が報告されているとされています。
ただし、これは
「誰でも必ず20年もつ」という意味ではありません。
長期安定には、治療後の管理と生活習慣が大きく関わります。
インプラントの寿命を左右する4つのポイント
① 治療前の診断と計画
- 骨の量・質
- 歯周病の有無
- 噛み合わせの力
これらを正しく評価しないと、将来的なトラブルの原因になります。
👉 関連記事:当院のインプラントについて
② インプラント体と治療技術
世界的に実績のあるインプラントシステムは、長期データが蓄積されています。
素材や表面性状の違いが、骨との結合(オッセオインテグレーション)に影響します。
③ インプラント周囲炎の予防
インプラントの寿命を縮める最大の原因がインプラント周囲炎です。
- 歯ぐきの腫れ
- 出血
- 骨が溶ける
初期は自覚症状が少ないため、定期的なメインテナンスが不可欠です。
👉 関連記事:
「インプラント周囲炎とは?原因と予防法」
④ 患者さん自身のセルフケア
毎日のケアが、インプラントの将来を左右します。
- 正しい歯みがき
- 歯間ブラシ・フロスの使用
- 定期検診の継続
「入れたら終わり」ではなく、一緒に育てていく治療だと考えてください。
天然歯とインプラント、どちらが長持ち?
よくある誤解に
「インプラントは人工物だから一生もつ」
というものがあります。
実際には、
- 天然歯もインプラントも、管理次第
- どちらも歯周病(インプラント周囲炎)に弱い
つまり、お口全体の健康管理が寿命を決めるのです。
まとめ|インプラントを長く使うために大切なこと
インプラントの寿命(長期の予知性)を高めるためには、
- 治療前の正確な診断
- 信頼できる治療計画
- 定期的なメインテナンス
- 患者さん自身のセルフケア
この4つが欠かせません。
「どれくらいもつか」ではなく、
「どうすれば長く安定して使えるか」
これが最も大切な視点です。
当院では、治療後も安心して使い続けられるよう、メインテナンスを重視したサポートを行っています。